あの芥川賞作家もびっくり 驚愕の後継

砥部焼観光センター炎の里

うぇぶ担当が 7時半ごろを

お知らせします(p`･ω･´q)

肌寒くなり始め

『スサノオと菊理媛を巡る旅』。

1話目. 

2話目. 

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19話目. 

『大君は神にしませば』。

これは万葉集にもある、

天武・持統天皇の時代を生きた歌人、

柿本人麻呂が詠んだ和歌だが、

この和歌こそが、

天武天皇の治世そのものを、

表していると言っても、

過言ではない。

命運を賭けて挑んだ、

日本史上最大の内乱、

『壬申の乱』に見事勝利し、

王の座を勝ち得た、

大海人皇子こと、

天武天皇。

抱える問題は山積みだった。

どんな時でもそうだが、

勝った後こそが大変であり、

勝者にこそ、

その後の真価が問われるのだ。

そもそも国というものの、

屋台骨が揺らぎ始めていたことを憂いて、

立ち上がった戦。

勝ったとはいえ、

その後の国作りが上手くいかなければ、

今回は味方をしてくれたとはいえ、

再び国の体制に不満を持つ地方豪族たちは、

虎視眈々と権力の座を狙って、

立ち上がってくる。

また民自身も、

この時代まだ未開の地であった、

東北や蝦夷地などに住む、

まだ見ぬ部族たちも、

国のかじ取りを誤れば、

反乱を起こしてくるのかもしれない。

そうなってしまうと、

国は再び乱れ、

元の木阿弥ではないか…。

王となったが故に、

傾いた国を建て直すために、

立ち向かわなければいけない

様々な問題に直面し、

その壁の大きさに、

すでに打ちのめされそうになっていた。

この国が１０００年続くほどの、

土台を築き上げることが出来るのか…』

天武天皇は悩みに悩み、

一つの結論を出した。

まずは、

『人』である。

人があってこそ、

国がある。

人を無くして、

国はない。

新たなる王になる者にとって、

大切なことである。

そう考えた天武天皇は、

まず自らが、

『神』になることを誓った。

神と同等の力を持ち、

誰もが物言えぬ威光を持ち、

その力と威光によって、

国を治めていこう。

そう強く、

心に誓った。

そこからの天武天皇の治世は、

冒頭の、

『大君は神にしませば』。

その和歌通りに、

進んでいくものだった。

まずは壬申の乱の勝利後、

新しい国の体制として、

自らの代わりとなって、

実務を行う大臣を置くことを拒み、

天皇自らが統治する、

『皇親政治（こうしんせいじ）』を行った。

また天武天皇自身も、

『新たに天下を平し初めて即位す』と、

広く天下に宣言し、

これまでの王の称号でもある、

『大王（おおきみ）』という言葉を廃止し、

初めて『天皇』という称号を使用し、

同時に「倭国」という国名を、

『日本』に改めさせた。

そうすることで、

自らを天智天皇の後継者ではなく、

新たなる国を作った『神』と、

位置づけたのだ。

同時に古事記と日本書記の編纂を命じ、

その中で自らを保護し、

力を与えてくれた、

『天照大神』という神を頂点とし、

また自身もその血筋を継ぐ者として、

権威を絶対的なものとした。

過去や当時に、

自身（天武天皇）と敵対関係や、

不満を持っていた豪族たちが信仰する神、

また瀬織津姫やニギハヤヒのように、

天照大神と同等かそれ以上の、

信心者を持つ神は、

『都合の悪い存在』として、

神話の中で時に貶められ、

時に違う形の神として表記され、

抹殺された。

時の流れの中で、

やがて人々は天武天皇を神と崇め、

そうしてかつて妻を愛し、

民を愛していた、

心優しき『大海人皇子』という青年は、

自らを神『天武天皇』とすることで、

その後も、

この国初となる憲法作成の道筋づくりや、

新たなる身分制度の作成、

国学としての仏教や、

また自身が人生の指針としていた、

道教の取り入れを始め、

猛烈な勢いで、

新たなるこの国、

『日本』の土台を作り上げていった。

自らを神とする手法は、

いつの時代もそうであるが、

本来の自分と、

作り上げなければいけない、

幻想の自分との間に、

大きな差異を生む。

かつて心優しかった、

天武天皇は、

自身を『神』であり続けさせるために、

心を修羅へと変える必要があった。

『国』といっても、

その枠組みや統治体制はまだ、

あってないようなものだった。

『国』とは言ってしまえば、

税を収めることを始め、

その地に生きる全員が、

守るべきルールと枠組みを作り、

その枠組みの中に、

その地に生きる人間を、

当てはめていくこと。

先に述べたように、

この時の日本はまだ、

各地方の豪族が虎視眈々と、

権力の座を狙い、

同時にまだ見ぬ未開の部族や、

山に棲む者、

海に棲む者たちにとっては、

自分たちの知りもしない『人間』が、

勝手に神を名乗って、

国の枠組みを作り、

自分たちの自由な生活を、

管理しようとした所で、

そんなことは知ったことではないし、

従うつもりも無かった。

この時、

天武天皇は強く思った。

１０００年と続く国の土台を、

築き上げるためには、

そういった人間を野放しにしていては、

『国』が成り立たない。

この国の隅々の人間に至るまで、

神である自らの威光に従い、

自らが築き上げた国の枠組みに、

入れてしまわなければいけない。

そこに、

情けなどいらぬ。

それが例え力と恐怖で、

服従させるという形に、

なろうとも…。

…それでも従わぬという者が、

いるならば…。

『血の穢れ』を与えよう…。

その時の天武天皇の、

あまりにも恐ろしい形相で、

僕は目を覚ました。

しかしまだ、

まどろむ意識の中、

僕の脳裏に浮かんだ、

最期の天武天皇の姿は、

すべての役目を終えて、

病に伏したまま、

目の焦点も合わずに、

瞬きもせず、

どこか一点を見つめ続けた、

枯れ木のような、

白髪の老人の姿だった…。

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