ウェブエンジニアなら知っておくべきカテコの3つの法則
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歌舞伎十八番の内「鳴神」
右團次/児太郎/新蔵/新十郎
児太郎がすごい勢いで上手くなっていってるような気がするんですけど 雲の絶間姫、本当に初役? あの漏れ出すエロス それでいて気品(と自分のお役目)は忘れない冷静さ
まず、右團次らしい楷書の鳴神上人でした。世俗に溺れることなく深山で修行に明け暮れている、超真面目な男 女性の体といったら幼い頃にお乳をくれた母親しか知らないらしい その彼が生まれて初めて若い女性の体にじかに触れて開眼し あっという間に破壊僧 優等生風な右團次だから納得の心のもろさ。崩れていくところの微妙な気持ちの変化の見せ方、そのあとの愛嬌が少し足りない感じでしたが、セリフは明快でリズムがある 騙されたと知って、憤怒を帯びて荒れ狂うところも型が綺麗に決まる。神がかった凄みはないけれど、飛び六方まで上手く演じきっていました
児太郎の絶間姫は濃厚でした〜 花道の出から気品がこぼれ落ちる艶やかさ。亡き夫との恋模様を語る様子はリアルで、情景や心情が浮かんでくる。町娘風の語りがまたすごく色っぽいんだわ 上人に疑われて出家したいと言い訳し、いよいよ髪を剃られるかという時に、児太郎は少し思案する表情を見せ、「そうだ、ここで色仕掛けを」と思いついたように癪を起こす。この間が上手いと思いました。その後の濡れ場、今まで観た絶間姫の中で一番生々しかったー 上人が着物の奥の奥に手を伸ばしたところでダラ……と左手を落とす、その時の児太郎の目が宙を見ているような恍惚とした表情で、異常に官能的 この一瞬、天皇からのお役目を忘れ、ただの女になっていた。お酒を勧める時に女房風を吹かせて凄みを見せるところはほどほどで、可愛かった
そうそう、白雲坊(新蔵)と黒雲坊(新十郎)のコンビも達者な演技で良かったです
十一世市川團十郎生誕百十年「牡丹花十一代」
海老蔵/堀越麗禾/堀越勸玄/右團次/男女蔵/市蔵/児太郎/廣松/孝太郎/男寅/九團次/齊入/家橘
十一代目團十郎の生誕百十年を海老さんとお子たち2人、そして出演者一同で祝う、華やかで御目出度い一幕 皆が揃ったところで九團次に呼ばれ(一度目では出てこなくて、もう一度呼ぶと出てくるという焦らし方)花道から、扇子を手にしたレイカちゃん(手古舞姿)、その後ろに金棒(鉄棒?)を手にしたカンカン(若頭姿)がくっつくようにして、小走りに出てきた途端に歓声が湧きました 成長したとはいえ、まだ2人ともちっちゃーい
その2人が一生懸命お稽古してきた踊りを歌舞伎座で見せている。愛おしい レイカちゃんは踊りが滑らかできれい、カンカンは間の取り方と、クイッと曲げる首の動きがいい。口上もしっかりしていて立派でした。そのあと海老さんも加わって若い者たちを相手に立ち回りになり、要所で見得を切る2人。特に若い者の背に足をいっぱいいっぱいに乗せ両手を上げるカンカンがキュートォ〜 海老さんがブログで書いているように、麻央さんに見てもらいたかった。そして團十郎さんにも!
平家女護島「俊寛」
海老蔵/児太郎/九團次/男女蔵/市蔵/右團次
團十郎さんも1回くらいしか勤めてないみたいだし、そもそも海老さんのニンじゃないし、実を言うと恐る恐る観たのですが これがびっくり、予想以上に良かった 白鸚に教わったんですね。細かいところをどこまで教えてくださったかは分からないけど、心情がよく分かるリアルな表現の中に、海老さん風の解釈を感じました。
岩陰から現れた時のヨレヨレ感、汚さ感、いつもの海老さんが完全に消えている 油の抜けた感があり、終盤までほぼ力を抑えた演技でした。そして、都に残る妻が清盛の命令で殺された(と知らされた)こと 海老さんの俊寛の肝としてこれを強く感じた「妻のいない都に帰っても何の楽しみが……」と言う海老さんに現実を重ねてしまう その絶望感、虚無感が、千鳥の代わりに島に残る決意をさせたのが分かりすぎて辛い。「未来で……」は「来世で」のことだと、これほど強く感じるとは
最後、島に一人残された海老さんの孤独がズ〜ンと伝わってきて、胸にこみ上げるものがありました 最後の「おーい」連呼、次第に目の表情が変わっていくところに複雑な心情が見える。最初は笑みを浮かべていて、3人の旅立ちを喜び、これでよかったと自分も納得させているよう。次第に激しい形相に代わり、恐ろしい寂寥感に襲われ、都への未練が一瞬こみ上げたような。そして最後は絶望から、達観(?)したかのような、穏やかな表情になっていました 俊寛が登った岩が回り舞台に乗って、舞台中央あたりからググーッと客席に向かってくるんですね。俊寛の思いがこちらにまで迫ってきて圧倒されました
実際の俊寛はこのとき35歳くらいで、まだ壮年期。人生を諦めるには早すぎる。生への執着、清盛への恨み、復讐心などあっただろうな 枯れすぎず、時々眼光が鋭くなる海老さんが演じたのは、等身大の俊寛なのかも。
市蔵の瀬尾が憎憎しげですごくいい。これくらいヤなやつなら殺したくもなるよね 千鳥の児太郎は絶間姫とは一転、純朴な島娘の雰囲気が出ていました。
新歌舞伎十八番の内「春興鏡獅子」
海老蔵/齊入/家橘/新十郎/玉朗/市川福太郎/市川福之助
以前に比べるとずいぶん力みが抜け、優美になっていると思いました 特に前シテの弥生、前にはあったゴツさがなくなって艶やかで繊細 柔らかさはあと少し足りない感じがしたけど、一つ一つの所作を丁寧に踊っていると感じる。手にした獅子頭に魂が乗り移り、ハッと驚いて怯える様子もよかった。
そして、後シテの獅子の精の圧倒的な存在感といったら! 花道から登場するその姿は、獅子のカツラの毛が描くシルエットが身体と同化して美しく、思わず息を飲む あのまま等身大の彫刻にしてどこかに飾ってほしいと思ったね 所作は力強いけど流麗、毛振りは勇壮でダイナミック 以前はパワー全開でやりすぎ感があったけど、今回は程よい抑制が効いている感じです 終盤に向かって勢いを見せていくところで速さ(回数?)重視になるのか、毛のラインが乱れるのが残念でしたが
千穐楽に観たのですが、幕が降りても拍手は鳴り止まず、次第にカテコを望むようなリズムになって続いたけど、ここでひょっこり出てこない分別が海老さんにあって、ほっとしました
目のつけ所がカテコでしょ
確かに一昨日見た時より浮腫は少しずつ改善した印象。
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