友達には秘密にしておきたい伏線
[あらすじ]
・「三度目の殺人」「海街diary」の是枝裕和監督が、家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家の姿を通して、人と人とのつながりを描いたヒューマンドラマ。
・2018年・第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、日本映画としては1997年の「うなぎ」以来21年ぶりとなる、最高賞のパルムドールを受賞した。東京の下町。
・高層マンションの谷間に取り残されたように建つ古い平屋に、家主である初枝の年金を目当てに、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。彼らは初枝の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐという、社会の底辺にいるような一家だったが、いつも笑いが絶えない日々を送っている。そんなある冬の日、近所の団地の廊下で震えていた幼い女の子を見かねた治が家に連れ帰り、信代が娘として育てることに。
・そして、ある事件をきっかけに仲の良かった家族はバラバラになっていき、それぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。息子とともに万引きを繰り返す父親・治にリリー・フランキー、初枝役に樹木希林と是枝組常連のキャストに加え、信江役の安藤サクラ、信江の妹・亜紀役の松岡茉優らが是枝作品に初参加した。
[スタッフとキャスト]
監督は是枝裕和さんですね、今作が監督の集大成ということで、彼のフィルモグラフィ(監督作)を振り返ってみましょう
1993
◆映画が時代を映す時 候孝賢とエドワード・ヤン
・ドキュメンタリー映画、劇場公開なし
1995
◆幻の光
1999
◆ワンダフルライフ
・初めて監督・脚本・編集
2001
◆ディスタンス
2003
◆帰ってきた刑事(でか)祭り
2004
◆誰も知らない
・柳楽優弥くんが最年少でカンヌ最優秀男優賞受賞
2008
◆歩いても歩いても
2008
◆大丈夫であるようにCocco終わらない旅
2009
◆空気人形
ーペディナちゃんばくたん!
2011
◆奇跡
ーまえだまえだの演技に轟け!
2013
◆そして父になる
2015
◆海街diary
2016
◆海よりもまだ深く
◆いしぶみ
2017
◆三度目の殺人
そして、2018
◆万引き家族
私は2004年の「誰も知らない」からしか見てないんです。勉強不足で申し訳ないです!!
彼の作風は、もう多くの方がご存知かと思いますが、ドキュメンタリー監督出身ならではの自然なセリフですよね。
子役が本当に子役なのか? というか子供は演技してるのか?と目を疑ってしまうほどのリアリティを映画に持たせるんですよね。
この演出方法には裏があって、小さい子供にはあえて台本は渡さずに、口伝えでセリフを教えていくらしいんですよね。だから棒読みになんて絶対にならな
んですよ。
子役を子役としてでなく、子供として撮る。大人の俳優もまた然り。演じてるというか、スクリーンの向こう側に本当の家があるんじゃないかってくらい、リアルな会話が飛び交う。
「え〜と」とか「あのー」とか「あれ」がごく自然に入っている。非常にナチュラルな、どうでもいいと感じるほどの言葉が入ってるんですよね。
これから映画を観る人は、要チェックですよー!!!
これまで是枝作品は、一貫して家族の作品を撮ってきたと思います。
私も家族作品は非常に弱くてですね、いっつも是枝作品では泣かされています。特に樹木希林さんの自然んすぎる演技に泣けてしまうのですよ。。
今回も泣かされる気まんまんです。ハンカチ2枚持ってった方がいいです。
それでは映画の感想でっす!!
[映画の感想]
これぞ是枝作品の集大成!!
なぜ家族ばかりを撮ってきたのか、なぜ子供の演技を大切にするのか、その理由がわかった気がする、、、
カンヌのパルムドール、ケイト・ブランシェットを唸らせた今作。集大成と呼ぶにはあまりにも淡く切ない、是枝監督らしいエンディングでございました!!!!
あと、松岡茉優ちゃんの×××がもう◯◯すぎるんで絶対にDVD買います!!! 是枝監督、パルムドール取って名声高い人だけど、アンタエロすぎるよ!!! あれ話に関係あったのかよwwww
生を性に読み替えすぎだよw でも好きだよ監督ウゥゥゥゥゥ!!!!
これまで少し分かりづらい作品だったけども、今回は誰もが分かる、とっても大切な物語であったと思います!!!!!!
[抑揚が効いたエンディング]
はい、鑑賞を終えたMachinakaです。
パルムドールを取ったこともあって、人の入りが非常に多かった。午前中なのに満席に近い人、人、人!
比較的若い人は多い品川ですが、今回はシャンテかよ!って思うほど中高年の方が多かったですね。映画好きな人が多かったのかな?
みなさんどんな期待をされて見たのか分かりませんが、、私の中では、今作は監督の集大成的な話であったと思います!
そして、非常に怖かった作品であったと思います。
映画全体に抑揚が効いていて、直接血が出るシーンや暴力描写は一切なし。悪い言い方をすれば、何も起こらないんですよ。
だから、パルムドールを期待して行ったのは、あれ? と感じるかもしれません。
ラストの切れ味も然り、結局これまで何があったの? そしてこれから何が起こるの?と想像しないといけない作品でしたね。
是枝監督の作品の中でも、一番抑揚の効いた映画だったんじゃないですかね。樹木希林が死んでも、安藤サクラが「いつか死ぬんだよぉぉ」って言って動じずに涙を流さないところとか、職場の同僚に「女の子といること、言ったら殺す」って真顔で言ってるとことか、、、
悲しいところや怒ってるシーンで、泣いたり叫んだりしないと映画ってこんなにも淡白になるんだって証明するような作品でしたよね。そんな淡い作風だからこそ、ケイトブランシェットの心を撃ち抜いたんでしょうけど。
だから、セリフの中に隠された真意だったり、セリフとセリフと繋げてキャラクター像を構築してみたりして、後になってから考えることで新しい発見があるタイプの映画だと思いますね。
そんな淡い作風なのに怖さを伝えようとしてるから、とても切なく感じてしまう。
この淡くて切ない描写が集中していたのは、最年少の女の子に込められていたと思います。
女の子は、髪を切ってから家族に馴染んで楽しい生活を送ってるように見えるんですけど、どこか遠慮してる感じがするんですよね。というか、リリーフランキーと初めて会った時のあの子の目や動作。何も喋らない様子。このルックを見るだけで、あの子はどれだけ虐待を受けてきたんだよ、、、と感じて想像して泣いてしまう。
女の子の本当の親と話すシーンがありますけど、そこで母親は「服買ってあげるからこっちおいで」とセリフを言いますね。
で、これ思い出してみれば、疑似家族と服を買いに行った時に、安藤サクラが服を買おうとすると「なぐらない?」って女の子が言いますよね。。。
ということはつまり、服を買ってあげる=殴られるサインだったんですよね。母親は「服を買ってあげるからおいで」っておびき寄せて、いつも殴ってたわけですよね。服を買いにシーンは、虐待の伏線だったわけです。もう、思い出しただけで泣けてくるよ。。。
[疑似家族を通して何を描くか
]
どう考えても危ないかほりのする、主に万引きで生計を立てている家族の話。しかも家族といっても、本当の家族なんていないんですよ。
「おばあちゃん」「お母さん」「お父さん」って言葉は出て来はするけど、誰しも本当の親子関係ではないんです。それなのに、一軒家に集まって暮らしてる風景はまさに家族そのもの。暖かい音楽とともに、万引きさえも楽しい作業に思えるほどぬくもりがある描写になっている。
これぞ「対位法」の使い方ですよね。
実は残酷で辛い現実がありながらも、疑似家族を作ることによって人と人が支え合い、生きていこうとするシーンに思わず涙が流れてしまうんですよね。
これが「万引きなんていきませんよ!」って偽善めいたセリフや音楽を使ってても泣けないんですよね。
「あれ?よくよく考えてみればこれ犯罪だし、勝手に子供を家に入れてるし、この人たち危ないよね?」
「でも、ここで子供を助けなきゃもっと酷い目に遭っちゃうよね、だから仕方ないか、こっちのほうがいいか、、」って考えてしまい、犯罪していることを容認せざるを得なくなる。観客も主人公と同じく共犯関係になってしまうのが今作のうまいところだなぁと思いました。
今作を理解するためには「大人」と「子供」を明確に分けたほうがいいんですよね。今作の家族において、「大人」はリリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林。「子供」は幼い子供二人と、松岡茉優。
「子供」は全て、親に捨てられたり家出をしたり、「大人」から捨てられた子ばかりなんですよね。そして「大人」も、社会の日の目を浴びずになんとかして生きようとしている。「子供」が万引きをするのは、純粋に「生きるため」なんだと思います。
親の元に帰っても虐待が待っている、帰る場所がない。居場所がない人たちがこの世界で生きるためにはどうするか?
必死に生きて行く様子を映画化していると思います。
世の中ですね、サラリーマンは辛いっていう人がいますけど、まだマシです。ちゃんと給料があって、クビにもならなくて、そんな素晴らしいサラリーマンと比べるとその場暮らしで生きていく人たちのリアルな生活を見て、どう感じたでしょうか?
一言に「いい」とか「悪い」とか言えないと思います。一瞬でも「万引きしてくしかないよな」って思ってしまった人は、映画にハマった証拠ですよ。
[日本最高峰の俳優のアンサンブル]
俳優は、樹木希林やリリーフランキーなどおなじみの俳優に加えて、安藤サクラと松岡茉優というずば抜けて演技できる人を使っていたのが印象的でした。特に安藤サクラさんの子供を諭す時の演技ですよね、抱きしめるあの瞬間ですよね、、、もうお母さんとしか思えないですよwwww
あんなのどうやって演技してるんだって思うほど、リアルな子供とのシーンに涙を禁じえませんでした。
捨てられた女の子が最年少なんですけど、子役とは言っても、どこかコントロール不能な女の子感が垣間見えるのも凄かったですよね。
あと松岡茉優ちゃん!!!! もうたまらん!!! あんまり言えないけど、たまらん!!!!!!! 早くDVD書いたイエス!!!!!!!
[監督のテーマを読み取って]
私は「誰も知らない」から鑑賞しているため、理解できますが、これが初めての是枝作品で、パルムドール取ったから見た、という人にとっては意味のわからないシーンもあったのではないですかね?
この作品を観るにあたって一番大事なのは、2004年の監督作「誰も知らない」だと思います。
「誰も知らない」では、子育てを放棄された子供達が頑張って生きて行く話なんですけど、この作品と部分的に重なるシーンが多すぎるからです。
・家族が死んでも、警察に通報せず土に埋めてしまう。
・生活費がなくなり、万引きに手を出してしまう。
・子供が小学校に行けず、負い目を感じている。
・生活感の溢れすぎるモノ・モノ・モノが詰まった部屋
などなど、非常に似ているシーンがありました。
今作を見ていない方は、ぜひご観賞ください。描写的にキツいシーンがありますが、頑張って観てみてください。
また、他の作品を見る余力のある方のために、他作品を交えながら監督のテーマについて語っていきたいと思います。
もう最初から言ってしまいますが、監督のテーマは「家族を構成するものは何なのか? 家族が家族たる所以とは何か?」を常に描いている人だと思いました。
< span style="font-size: 22.399999618530273px;">これまで「そして父になる」や「海よりもまだ深く」や「歩いても歩いても」で男が父親になることの条件や困難さを描いてきており、、是枝監督自身を重ねたような作風だったと思うんですよね。ちなみに、「歩いても歩いても」と「海よりもまだ深く」の主人公はどれも名前が「良多」となっており、監督自身を投影してるという話があります。
しかし、こう言った作風に限らず、「もともとの家族に他人が入ってくる」映画も撮っており、「海街diary」であったり「そして父になる」であったり、家族に新たな他人が入ってくることによって、家族がどう揺れ動くのか、家族が家族になるためにはどうすればいいのか、を描いてきました。
そして今作では、「赤の他人ばかりでつくられた家族」で家族モノを描くことになりました。私の知る限り、この設定は初めてじゃないかな?
他人同士で家族を作ってみることによって、「父親」とか「母親」とかの役割を取っ払い、血縁という強制力すら取っ払い、家族は生き残っていけるのか?という問いかけをしているんですよね。
そんな問いをしておいて、劇中では「親権を持たぬ親の辛さ」だったり「万引きに頼らざるをえない経済状態」など、家族を苦しめる制約が多くて、「愛さえあれば家族は成り立つよ」みたいな精神論は振りかざさず、とても客観的に家族を見ている監督の姿が垣間見えました。
一番グッときてしまったのはですね、松岡茉優の「家族ってお金で成り立ってるんだよ」というあまりにもキツくて的を得たセリフ。おいおい、そんなこと言ったら元も子もないじゃないかって思うんですけど笑
このように、「家族がどうすれば家族になれるのか」という課題で映画を撮りながらも、監督は家族に感情移入せずに見守っているスタンスを撮っている。それはドキュメンタリー映画を撮ってきたから「見守ることしかできない」と思っているのかもしれません。だから無理にハッピーエンドにはしないんですよね。
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
最後になりますけども、パルムドールを撮るにふさわしい映画的な、セリフに頼りすぎない演出はしない、是枝作品らしい作品で集大成であり、新たな挑戦も見えたように感じました。
感情的にセリフを叫ぶような演劇的な映画もどきばかり見てる人にとっては、地上波のドラマばかり観てる人にとっては、すごくあっけなく終わって物足りなさを感じるかもしれません。
でも、これぞ映画の見所です! この物足りなさを観客が補うんですよね。
是非是非ご鑑賞ください! オススメです!!!
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この二冊が売れたというのも、
これからはやはり、新たな生き方を生み出していくことを
根本的に求められているのかもしれません。
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