ちょっと心配、社会の底力
ちょっと心配 あなたが気づけばマナーは変わる。
「うわぁ~!!」
目をキラキラさせてご主人様が見ているのは
ファミレスのランチメニュー。
「しょおくん!!連れてきてくれてありがとう!!」
「ど、どういたしまして…。」
ファミレスでめっちゃ感激してるから
さっきから店員さんが不思議そうにこっちを見ている。
「すごーい!どれも美味しそうだね!」
「どれにしますか?」
「たくさんありすぎて迷っちゃう!」
「ふふふ。ゆっくり決めてください。」
「選べないから、全部頼もうかな。」
「そんなに頼んだら食べきらないですよ。」
「え、だめ?」
「あまりたくさん残すのはマナー違反です。また今度来ればいいんですから。」
「そっかぁ。」
「食べたいもの、二つ選んでください。半分ずつしましょう。」
「うん!!」
長い時間をかけてランチセットを2つ選んで
いくつかのサイドメニューとドリンクバーを注文した。
「これが念願のドリンクバー!!すごーい!!」
「やり方は…。」
「大丈夫!しょおくんは座ってて!」
「え?」
「俺が持って行ってあげるから♪」
満面の笑み。
そうは言っても大丈夫かな…。
「最初くらいは私がお手伝いしますよ。」
「大丈夫だってば。たまには俺にまかせて!」
「ですが…。」
「だってあんなに小さな子だって自分でやってるよ。」
見ると、小学生くらいの兄弟がドリンクを注いでいた。
「しょおくん、たまにはゆっくりしててよ。スマホの手続きと運転で疲れたでしょ?」
それらしい理由を付けてるけど
絶対ただやってみたいだけだよな…。
でもせっかくそうに言ってくれてるから
素直に甘えることにした。
「では、アイスコーヒーをお願いします。」
「アイスコーヒーね。分かった。えーっとグラスは…。」
キョロキョロしてる。
ふふっ、可愛い。
「あーっ、しょおくん何見てるの。席に戻っててよ。」
「ちょっと心配で。」
「もーっ、心配性なんだから。大丈夫だってば。」
背中を押されて席に戻される。
「たまには寛いでて。」
「そうですか。ではお言葉に甘えて。」
「うん、待っててね。」
ご主人様は楽しそうにドリンクバーに戻っていった。
しばらくして、グラスを持ってそーっと歩いてくる子…
じゃない、潤様が帰ってきた。
「はい、アイスコーヒーです。」
「ありがとうございます。」
氷なし、ストローなしだけど
君が初めて入れてきてくれたコーヒーは格別。
「ん!!美味しい!」
「本当?良かったぁ。溢さずに持ってこれたよ。」
「初めてで溢さないなんて、さすがですね。」
「ふふふ。」
「やり方、すぐ分かりましたか?」
「うん。あの子達に教えてもらったの。」
さっきの小学生に手を振る。
「まーくんとカズくん、双子なんだって。」
「もう仲良くなったんですか?」
「うん。友達になったの。今時の小学生って生意気だと思ってたけど、素直で可愛いね。
しょおくんのこと、カレシ?って聞いてきたからそうだよって答えといたよ。」
「ぶっ!」
カレシ!?
え、付き合ってるように見える!?
さすが子供だな!!
愛情駄々漏れてるのバレバレ!?
「ちょっと大丈夫?」
「すみません。」
「もーっ、世話が焼けるなぁ、うちのカレシは。ふふふ。」
持ってたハンカチで俺の頬を拭いてくれる。
確かに…この場面だけ見たら世話やきの美人彼女だな。
いやいや、いつも世話焼いてるのは俺だけど!
「じゅんちゃーん、ドリンク取りに行こうよ。」
噂の小学生兄弟がやって来た。
「うん、行こう。しょおくん次は何飲む?」
「では、アイスコーヒーでお願いします。」
「了解。良い子で待っててね。」
「はーい。」
ご主人様は子供達と楽しそうに歩いて行った。
「ねぇ、じゅんちゃんのカレシ、カッコいいね。」
「ふふっ、そうでしょ?しょおくんっていうの。」
「しょおくん、またコーヒー?」
「またコーヒーがいいんだって。」
「じゃあさ、アレンジしてあげようよ。」
「アレンジ?」
「教えてやるよ。ぜったい喜ぶよ。」
「うん、教えて!」
こそこそ話が丸聞こえなん
だけど…。
だけど…。
てゆーかアレンジって何?
不安だ。
不安しかない。
この時の俺はまだ
このドリンクバーで
小学生と恋人に翻弄されるなんて
知る由もなかった。
Sugarって平和だな…(笑)
ちょっと心配、こたえてよ。メールじゃなくて、私の質問に。
ちょっと心配 関連ツイート
パリピっ子の厨二SNSは、たまーに犯罪自慢してるからちょっと心配だよね💦
右目疼いて呪文唱えてる子は犯罪ではないからある意味で安全…(?)
一安心。
でも川の水位はちょっと心配。 https://t.co/2cFQ0Hvt1H