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報道記者の後輩Aくんは、
「中学受験も、ある意味ハローワークなんです」
そう言います。
でも、
「中学受験を入り口にして、中高一貫校に入った子供が目指す大人の世界はいわゆるエリートの世界だけです。その世界は本当に広い世界なのでしょうか?本当にそういう子供たちに広い世界を見せてあげることができるのでしょうか?」
と、疑問を持っていると言います。
「じゃあ、どうすればいいと思う?」
「職業に貴賎はないってことを知ってもらうことです」
「倫理的には職業に貴賎はないってことになっているけど、実際はそうではないよね。子供は親の価値観で物事を測るからね。先入観でこの職業は良い。この職業は良くないって決めつけたまま大きくなっていく場合が多い。それは中高一貫校に入っても変わらない気はする」
「例えば、工事現場に鳶職ってありますよね。足場を組んでいる現場の人たち。あの人たちって実はサラリーマンの人、結構いるじゃないですか。肉体労働だけど立派なサラリーマンで雇用保険も傷害保険にもちゃんと入っていて、実はかなりの高給取りで、独立もしやすい。裸になったらみんな筋肉ムキムキだし、話せばみんなすごくいい奴で、同僚を大切にするし、男臭い職場だけど、アフターではめっちゃモテる、みたいな。そんなサラリーマン、他にいます?」
「サラリーマン生活を送りながら、本当の友達を作るのは実はかなり難しいよね。そういうこと、子供たちは知らないよね」
「実は、先入観ばかりで、その実態は親ですら知らないことってたくさんあるじゃないですか」
「そうだね。俺ら記者の仕事なんて、実はめちゃくちゃ孤独な仕事だったりするしね。華やかさなんて皆無だもんね」
「tekitopapaさんが言うとそうなるけど、他の記者が言うと、『いつも華やかな世界を見られてむちゃくちゃ楽しいよ』ってことになるかもしれませんしね」
「全くその通り。物の見方には多様性がある」
「そうなんですよ。例えば、医者という職業があって、全く同じ職場で全く同じ外科のお医者さんだとしても、年齢が違えば立場も違うし、思っていることも違いますよね。同じ年齢でも、上に付く上司によっては、その仕事に対する考え方も全然違うじゃないですか。つまり、どんな仕事にも良い面、悪い面、必ずあって、その人にとっては悪い面かもしれないけれど、別の人にとっては全く同じ条件が良い面だったりもするじゃないですか。つまり、人生も仕事も全て同じで、良いことも悪いことも全て引っくるめて人生なんですよ。そのことをしっかり教えられる環境を大人が作ってあげることが本当の教育だと思うんです。それが本物を知るってことですし、それが本当のハローワークなんです」
「そのためにはどうすれば良いの?」
「例えば、今、高い教育環境を与えている私立学校とか、結構、本物を知るという意味で専門家が講演をやったり特別授業をやったりしてますよね。でも、その一人の専門家から話を聞いても、その話に興味が持てなかったら勿体無いじゃないじゃないですか。だから、全く逆の意見を持つ同じ職業の専門家と最低二人以上で講演を行う。その場でディスカッションを行う。それだけで、子供たちの脳はとてつもなく刺激されます」
「例えば、外科医の教授と30歳の講師とか?」
「そうです。立場も違うし、習ってきたことも違うし、経験も全く違う。それが難しいと思うでしょう?それを難しいと思うのも大人の先入観だし、それを含めた丸ごとを子供たちに見せてあげることが大事なんです」
「要は、良い面も悪い面も、主観も客観も、きちんと伝えるということを大人がどこまでやってあげらるか?が、今、問われているってことだよね?」
「そうなんです!」
「それは素晴らしいことだよね」
「でも、悪い面やよくない話は聞かせたくないとか、またそこで大人の忖度が入ってくる。でも、それも大人にとってよくない話であって、子供にとってはそこから、『じゃあどうすれば良くなるのか?』を考えてもらう材料にもなるわけです」
「確かに、水商売とか、ホストの話は聞かせたくないだろうな」
「でも、ホストの仕事も世の中の役に立っている。悪いホストもいる。そこで子供達がなにを思うか?なにを考えるか?それが大事だと思うんですよね〜」
「言いたいことはわかる。難しそうだね〜」
「難しんですよ。でも、そこを乗り越えないと、日本の労働社会は壊れます」
「じゃあ、具体的にどうすれば良いのか?」
「それを考えるのが、tekitopapaさんの仕事です!」
「え?おれ?」
「そうです!」
「なにそれ?今回の話に期待して読んでる人、結構いると思うんだけど、それが結論かい?」
「でも、もう何か思いついてるんでしょう?」
「うん。なんとなくはね」
「じゃあ、その話を聞かせてくださいよ」
「おれの中できちんとまとめられたらね。Aくんもちゃんと考えなよ。そこまで子供たちの将来のことを考えてるんだったらさ」
「もちろん考えますよ」
と、いう会話をしたのです。
これ、丸ごと、そのまんまです。
来年から、就活ルールは廃止され、年間を通じての就職活動が解禁されます。
20年の入試改革もそうですが、長年、当たり前だと思っていたルールが今、どんどん、変わってきています。
今の小学5年生が就職する時代は、どうなっているのか?
それがわかっている人間なんていません。
仕事に関する考え方も全く変わっているかもしれません。
もしかしたら、水商売やホストは人を癒す仕事として、人気ランキングに上がってくるかもしれない。
そんなありえないようなことが起こっても不思議じゃない。
それくらい、時代は激変しています。
だから、
思考にもっともっと多様性が必要になるのです。
その道しるべを大人が作ってあげなければいけません。
それが私たち、大人の義務なのです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
人間なんって実はツンデレじゃね?
報道記者の後輩Aくんは、
「中学受験も、ある意味ハローワークなんです」
そう言います。
でも、
「中学受験を入り口にして、中高一貫校に入った子供が目指す大人の世界はいわゆるエリートの世界だけです。その世界は本当に広い世界なのでしょうか?本当にそういう子供たちに広い世界を見せてあげることができるのでしょうか?」
と、疑問を持っていると言います。
「じゃあ、どうすればいいと思う?」
「職業に貴賎はないってことを知ってもらうことです」
「倫理的には職業に貴賎はないってことになっているけど、実際はそうではないよね。子供は親の価値観で物事を測るからね。先入観でこの職業は良い。この職業は良くないって決めつけたまま大きくなっていく場合が多い。それは中高一貫校に入っても変わらない気はする」
「例えば、工事現場に鳶職ってありますよね。足場を組んでいる現場の人たち。あの人たちって実はサラリーマンの人、結構いるじゃないですか。肉体労働だけど立派なサラリーマンで雇用保険も傷害保険にもちゃんと入っていて、実はかなりの高給取りで、独立もしやすい。裸になったらみんな筋肉ムキムキだし、話せばみんなすごくいい奴で、同僚を大切にするし、男臭い職場だけど、アフターではめっちゃモテる、みたいな。そんなサラリーマン、他にいます?」
「サラリーマン生活を送りながら、本当の友達を作るのは実はかなり難しいよね。そういうこと、子供たちは知らないよね」
「実は、先入観ばかりで、その実態は親ですら知らないことってたくさんあるじゃないですか」
「そうだね。俺ら記者の仕事なんて、実はめちゃくちゃ孤独な仕事だったりするしね。華やかさなんて皆無だもんね」
「tekitopapaさんが言うとそうなるけど、他の記者が言うと、『いつも華やかな世界を見られてむちゃくちゃ楽しいよ』ってことになるかもしれませんしね」
「全くその通り。物の見方には多様性がある」
「そうなんですよ。例えば、医者という職業があって、全く同じ職場で全く同じ外科のお医者さんだとしても、年齢が違えば立場も違うし、思っていることも違いますよね。同じ年齢でも、上に付く上司によっては、その仕事に対する考え方も全然違うじゃないですか。つまり、どんな仕事にも良い面、悪い面、必ずあって、その人にとっては悪い面かもしれないけれど、別の人にとっては全く同じ条件が良い面だったりもするじゃないですか。つまり、人生も仕事も全て同じで、良いことも悪いことも全て引っくるめて人生なんですよ。そのことをしっかり教えられる環境を大人が作ってあげることが本当の教育だと思うんです。それが本物を知るってことですし、それが本当のハローワークなんです」
「そのためにはどうすれば良いの?」
「例えば、今、高い教育環境を与えている私立学校とか、結構、本物を知るという意味で専門家が講演をやったり特別授業をやったりしてますよね。でも、その一人の専門家から話を聞いても、その話に興味が持てなかったら勿体無いじゃないじゃないですか。だから、全く逆の意見を持つ同じ職業の専門家と最低二人以上で講演を行う。その場でディスカッションを行う。それだけで、子供たちの脳はとてつもなく刺激されます」
「例えば、外科医の教授と30歳の講師とか?」
「そうです。立場も違うし、習ってきたことも違うし、経験も全く違う。それが難しいと思うでしょう?それを難しいと思うのも大人の先入観だし、それを含めた丸ごとを子供たちに見せてあげることが大事なんです」
「要は、良い面も悪い面も、主観も客観も、きちんと伝えるということを大人がどこまでやってあげらるか?が、今、問われているってことだよね?」
「そうなんです!」
「それは素晴らしいことだよね」
「でも、悪い面やよくない話は聞かせたくないとか、またそこで大人の忖度が入ってくる。でも、それも大人にとってよくない話であって、子供にとってはそこから、『じゃあどうすれば良くなるのか?』を考えてもらう材料にもなるわけです」
「確かに、水商売とか、ホストの話は聞かせたくないだろうな」
「でも、ホストの仕事も世の中の役に立っている。悪いホストもいる。そこで子供達がなにを思うか?なにを考えるか?それが大事だと思うんですよね〜」
「言いたいことはわかる。難しそうだね〜」
「難しんですよ。でも、そこを乗り越えないと、日本の労働社会は壊れます」
「じゃあ、具体的にどうすれば良いのか?」
「それを考えるのが、tekitopapaさんの仕事です!」
「え?おれ?」
「そうです!」
「なにそれ?今回の話に期待して読んでる人、結構いると思うんだけど、それが結論かい?」
「でも、もう何か思いついてるんでしょう?」
「うん。なんとなくはね」
「じゃあ、その話を聞かせてくださいよ」
「おれの中できちんとまとめられたらね。Aくんもちゃんと考えなよ。そこまで子供たちの将来のことを考えてるんだったらさ」
「もちろん考えますよ」
と、いう会話をしたのです。
これ、丸ごと、そのまんまです。
来年から、就活ルールは廃止され、年間を通じての就職活動が解禁されます。
20年の入試改革もそうですが、長年、当たり前だと思っていたルールが今、どんどん、変わってきています。
今の小学5年生が就職する時代は、どうなっているのか?
それがわかっている人間なんていません。
仕事に関する考え方も全く変わっているかもしれません。
もしかしたら、水商売やホストは人を癒す仕事として、人気ランキングに上がってくるかもしれない。
そんなありえないようなことが起こっても不思議じゃない。
それくらい、時代は激変しています。
だから、
思考にもっともっと多様性が必要になるのです。
その道しるべを大人が作ってあげなければいけません。
それが私たち、大人の義務なのです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。